大学のゼミでは地域コミュニティ活性化に関わる研究をしており、ゼミメンバーと一緒に、日本公共政策学会が主催するフォーラムに出場するなどの活動に力を入れてきました。以前から街に興味を持っていた私が、地域コミュニティの重要性にも着目するようになったのは、離れた土地に住む祖父が一人暮らしをしていたことがきっかけでした。
私は、大学では都市計画の研究室に所属し、ハード面の勉強に加えて、住民同士のコミュニティがどのように形成されるかといったソフト面の研究をしてきました。都市計画を学ぼうと思ったのは、「街というのは、さまざまな人が関わりあいながら想いを持ってつくられていくもの」という教授の言葉に惹かれたからでした。就職活動においても、「その会社の事業が本当に人のためになっているか」を軸の一つに据えながら、デベロッパーや不動産管理業界のインターンシップに積極的に参加していました。
採用ホームページの動画に出演されていた人事担当者の方の笑顔が決め手でした。企業の動画で、あんなにも楽しそうに説明をしている人は見たことがなくて(笑)。ワクワクするような会社のムードを直感し、日鉄興和不動産のインターンシップには絶対に参加しなくては!と思ったんです。
私は対面での夏インターンシップに参加していました。その時点では、自分のやりたいことが分からずに悩んでいたのですが、そのことを人事の方に話してみると、会社の人というよりは、“人生の先輩”として私の気持ちに寄り添ってくださいました。それ以来、日鉄興和不動産が第一志望になっていたので、冬の5Daysインターンシップにも迷わず応募しました。
営業推進本部 営業推進第二部という不動産コンサルティングを行っている部署へ配属へなりました。その頃実際に動いていた案件、具体的には、ある顧客企業が日本橋に保有している店舗の活用案を考えるということに挑みました。顧客企業からは地域の活性化にも役立つような店舗活用のアイデアを求められているということだったので、道行く人が気軽に入れるスポーツ空間を設けたり、東京の特産物を使用した飲食店や物産展が開けるスペースを設けたりなどの案を出しました。
私も同じく、不動産コンサルティングを勉強させてもらいました。私の指導担当社員さんは、みずほグループとの強固なネットワークを活かし、みずほ銀行のお客様から不動産に関する相談を受け、それに対する不動産活用のソリューション提案をしている方でした。そのなかで私も、ある企業が所有している土地の有効活用を考えるという課題を与えられたため、実際に現地へ出向き、このエリアにはどういったニーズがあるのかを、自分なりに足で調査。そのエリアは外国人も多く住んでいる高級住宅地であることを踏まえ、訪日外国人観光客が長期滞在できるアパートメントホテルを建てる案と、上層階をレジデンス、下層階をインターナショナルスクールにする複合ビル案を考えました。
実際の職場で働くのがはじめてだったこともあり、どんな反応が返ってくるのかな、と少し緊張していたのですが、「本当に面白いアイデアだね」とか「この案を実際の提案に採り入れてみたい」など、肯定的な声が返ってきてとても嬉しかったです(笑)。
私も、「短い時間でここまで考えられるのは驚いた、素晴らしい」とコメントいただいて。恐縮だなと思いつつも、素直に嬉しかったですね。
私に指導してくれた社員さんも「仕事では、限られた時間のなかで頭をフル回転させて、成果物をアウトプットするのが大事だよ」と強調されていました。時間への意識を養ってほしいという意図を込めた課題だったのかもしれませんね。
2日間の経験を通じて、もう一つ私の学びになったのは、アンテナを張って街を歩くことの大切さです。日本橋へ現地調査に行ったときのこと。同行してくれた社員さんは、周辺の土地の再開発状況をすべて把握しているだけでなく、通りを歩く人の流れや車の動きなどにも細かく目を向けながら、街のニーズや課題を探ろうとされていて。こういった視野の広さやアンテナの張り具合を、私も身につけていきたいと思いました。
「もっと社会にアンテナを張っておく必要がある」というのは、就業体験時と同様にDay4の価値創造ワークショップでも実感したことでした。いま不動産業界や世の中にどのようなトレンドがあるのか、将来的に何が残っていくのか、といったことをリサーチし、自分の知識を増やしたうえで他者と意見交換していかないと、新たな価値を生み出すことができないと気づいたからです。また、グループワークをする際は、最初から各人のアイデアを精査しすぎずに、些細なことでもいいから自由にアイデアを出していく。そして、そこからアイデアをつなげたり、かけ合わせたりすることで、予想以上のものが出来上がるということも体験できました。このようなやり方は、デベロッパーで働くうえでも役に立つノウハウだと思います。
私も同じくそう思いました。一つ補足するなら、アイデアを出すときはユーザー視点に立って考えるということも、マーケットインの思考を重視している日鉄興和不動産で働くうえで必要なことなんだろうな、と。
一方、Day3では、福岡県北九州市高見地区にあった分譲マンションのモデルルームの現地中継が印象に残っています。高見地区は桜の名所があちこちに点在している美しい住宅街で。「この魅力をお客様に体感してもらえるように」と、モデルルームのエントランスには、本物のように精巧につくられた桜の大木が置かれ、満開の桜がお客様を出迎える形になっていたんです。見たこともないようなこだわりの演出に、目を奪われましたね。
九州の街づくりで、私が強く惹きつけられたのは開発エリアについてです。他のデベロッパーは、地方再生といっても博多などの中心部で行うケースが多いと思いますが、日本製鉄をバックボーンに持つ日鉄興和不動産は、中心部から離れたエリアで地域に根差した街づくりを行っていて、地方の未来を一緒に切り拓いていくスタンスにとても共感しましたね。
プラスになったことは大きく二つあります。一つ目は日鉄興和不動産で働くイメージが明確になり、自分はどういった事業分野で力を発揮していきたいのかを言語化できるようになったこと。二つ目はデベロッパー業界を志す良い就職活動仲間ができたことです。5Daysインターンシップには、学問や専攻、学生時代の経験等いろいろなバックグラウンドを持つ人がいて、皆と話をすることで視野が広がりましたし、インターンシップ後も情報交換できる仲間がいたことで、とても心強かったです。
私は、事業面や社風面、そこに働いている人の魅力など、自分が会社選びの軸にしていたことと日鉄興和不動産がマッチしているのが分かり、志望の意思が固まったことが収穫でした。社風や人の魅力で言えば、就業体験後の懇親会でのこと。部署の社員さんが「うちの会社は、前例のない開発でも、本気でやりたい意思があれば、それを実行させてくれる会社なんだよね」と言いながら、お互いに「自分はこういう事業がやりたいんだ」「人々のこんな笑顔が見たいんだ」「真剣にやったら絶対に実現できるよ」と熱く語り合っている姿が、本当に刺激的でした。この会社には自分自身のワクワクを原動力にしている社員さんが多いんだな、と。そして内発的なモチベーションが高いからこそ、細かなところまで手を抜かず、こだわりの街づくりができるんだな、と実感しましたね。
私も日鉄興和不動産には「喜ぶ人の顔」を思い浮かべながら働いている社員さんが多かったと思います。住民の方はもちろん、ゼネコンなどのプロジェクトパートナー企業とも良好な関係を築いていた点からも、他者の気持ちを大切にする社風が窺えました。私自身、自己の利益だけを追い求めるような働き方はしたくないと考えてきたので、非常に魅力的だと感じています。