『SPROUND(スプラウンド)』は、品川インターシティの22階に位置する、
スタートアップ企業を対象としたインキュベーションオフィスです。
東京の玄関口であり、世界有数のメーカー企業が集積する品川エリアで、
スタートアップ企業を起点にイノベーションの潮流を取り込み、
品川エリアの活性化を目指します。さらに、ハード面・ソフト面から
スタートアップ企業をサポートすることで、オフィスの担うべき
「新しい働き方」に対応した機能を分析・実証し、
“新しいオフィス様式”を追求しながら、
日本産業の活性化にも貢献していきます。
ハード面、ソフト面で細部まで配慮された空間、『SPROUND』。今回は「内定者が考える『SPROUND』にあったらいいなと思うもの」をテーマに篠原、小川、千葉の内定者3人に加え、『SPROUND』担当者の金谷さんにもご参加いただき、議論いたしました。
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千葉
僕は個人的にサウナがあるといいなと思います(笑)。決してふざけているわけではなく、ちゃんと理由もあります。『SPROUND』のコンセプトである「知の還流」は日常のワークプレイスや利用者を対象としたイベントを仕かけにすることもできると思うのですが、仕事から離れたリラックス空間であるサウナこそ 「大人の出会い場では?」 と考えているからです。移動コストもなく職場にサウナがあればすごくいいなぁと思いご提案いたします。
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金谷さん
不動産会社としては非常に難しいなと思いながらも、着眼点は非常にいいと思います。実例として、某大手オフィス家具メーカーは新しい働き方のコンサルを通じてワークプレイスの提案もしているのだけれども、有志のメンバーで「サウナ部」を立ち上げているそうです。そこでは、オフィスビルのなかにサウナをつくるのではなく、サウナの横にワークプレイスを設置しているとのこと。実際に、15分サウナに入り、その後30分ミーティングをするということを繰り返す、という取り組みが行われているらしいのだけど、面白いことに業務効率が上がっていることがデータとしても出ているので、着眼点としてはありなのかなと。もしかしたら、将来的には『品川インターシティ』のどこかにサウナができてるかもしれないですね。
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篠原
そうなんですね。千葉ちゃん、入社後に頑張って!(笑)
小川僕もサウナが品川にあるのか調べたら全然見つからなくて。
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金谷さん
そうだね。品川はこれだけ大きなオフィスビルが立ち並ぶのに、この辺りには体を動かす場所やジムがほとんどないんだよね。
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小川
それで言うと、「あったらいいな」なものとして、筋トレルームというのを考えていました。筋トレルームがあれば、運動をしてストレス発散することで業務効率の向上につながるのではないかと。
『SPROUND』に、運動ができるスペースってあるんですか? -
金谷さん
利用者様はよくプロテインを飲んでいるね。
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小川
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篠原
はい、前回訪問したときから気になっていました。
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金谷さん
その様子からも分かるように、『SPROUND』にお越しになる方は健康意識の高い人が多いです。実際に、利用者さまから「運動スペースをつくってほしい」っていう意見も挙がっていて、私もあっていいんじゃないかと考えています。一方でジムとして本格的につくるやり方もあるけれども、仕事のなかで無意識に体を動かす仕かけをつくるという選択肢もあると思います。たとえばスタンディングのミーティングスペースにゴムチューブを設置したら、引っ張りながらミーティングをしていただけるかもしれない。コピー機の前にダンベルを置いておけば、待ち時間にご利用になられるかもしれない。それが自然と筋トレにつながるというパターンも考えられます。
また『SPROUND』から話は逸れるけど、最近のイケてる会社の条件として、従業員の健康をサポートする「健康経営」が注目されていますよね。そこで品川インターシティでは、エリアマネジメントの取り組みとして2019年の6月に『KARADA Re-BOOT WEEK』というイベントを行いました。「健康的なことをどう仕事のなかに織り込むか」をテーマに1週間、『品川インターシティ』の足元にある屋外広場で開催したこの施策は、数あるフィットネス業界のなかでもコンセプトが強めなワークアウトスタジオと連携してコンテンツをつくりこんだのですが、『SPROUND』にもそのワークスタジオとコラボしてワークアウトセッションや筋トレスペースを取り入れてもいいかなと思っています。個人的には、『SPROUND』も収益が上がってきたらスミスマシンなどを導入してもいいかなと思っています。
ビル全体の話をすると、ジムやランニングステーションもあるといいなと思っていて。品川は水辺が多くあるのに水辺を体感するムーブメントはあまり見られないので、そういったものがあれば一つのきっかけにもなると思います。ランニングステーションがあるとシャワーが必要になって、そうなるとサウナも……と広がってくるよね。街づくりをするうえで、一つ面白い考え方かなと思います。 -
篠原
さまざまなニーズに対して、関係者と協業して仕事に取り組める点がデベロッパーの魅力の一つですよね!ありがとうございます。
最後に、私が思うハード面の「あったらいいな」をお話しします。コロナ禍によって在宅勤務が推奨されている今、オフィスには家と全く違う空間が欲しいなぁと思っていて、家にはあまりないものを考えた結果、マッサージチェアがあれば嬉しいなと思いました。
またソフト面では、散歩マップがあればいいなあと考えました。自然が多い品川は、水辺や緑が多いという特徴があるのに、気分転換で外を散歩しようと思ってもどこを歩いたらいいか分からないと感じたからです。 -
金谷さん
そうだね。まず1点目の話でいうと、マッサージチェアがいいのか、実際に委託してプロにマッサージしてもらうのかというところで発想は広がるよね。今コロナの影響で休止してるんですが、日鉄興和不動産の本社では、月に1回マッサージ師に来てもらって施術を受けられるサービスがあるんだよね。
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小川
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篠原
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千葉
そうなのですか?(驚)
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金谷さん
マッサージサービスを提供しているのは「Offisis」という、福利厚生のサービスを提供している会社です。『SPROUND』を利用するスタートアップ企業が1社ずつ福利厚生を準備することは大変なので、実際に私も、マッサージなどのサービスを『SPROUND』として提供することは考えていました。他にも、有料になるとは思いますが、各週でバリスタを呼んで「ちょっといいコーヒーが飲める」サービスなんてものもアリなのかなと。「自分の家ではなかなかできないけど、こういうシェアオフィスだからこそできるもの」として、何が適しているのか今まさに検討中といった状態です。
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篠原
お茶やコーヒーは詳しくなりたいと思ってもなかなかハードルが高かったりするので、オフィスのなかから新しい自分の趣味を見つけられると、利用者様同士で共通の話題を生むことができそうですね。
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金谷さん
そうですね。『SPROUND』だけではなく当社が管理しているビル全体でも、そこで働くワーカーの満足度を高めるような取り組みを行っています。品川インターシティの場合、『品川キャンパス』と題して、アフター5にちょっとしたワークショップやアルコールのセミナー(飲み比べ)などを行っています。この取り組みは、日鉄興和不動産のオフィスにいるからこそ得られるメリットとして実施していますが、こういった取り組みを通じてオフィスが「ただ単に働きに来る場」ではなくて、「行くことで何かが得られるオフィス」になるような施策は、これからも展開し続けていきたいです。
ちなみに、先ほどお話しした「Offisis」について、日鉄興和不動産の場合は「会社として社員の満足度を上げるためにリラクゼーションのサービスを依頼している」形になるかな。
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篠原
これって社員の方は実際に使われているのですか?
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金谷さん
特に女性社員の評判は高いみたいですよ。
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篠原
そうですよね。女性目線でもすごく魅力的だと思います!
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千葉
「今日もまだまだ頑張るぞ!」という気持ちの切り替えになりそうですね。2点目のお散歩マップについては、金谷さんはどうお考えですか?
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金谷さん
とても素敵な考え方だと思います。品川のエリアマネジメントの取り組みとしては、『Re-FRESH』というタウン誌・フリーペーパーを季刊誌として発行していたのだけれども、8ページの構成のうち3ページは品川エリアのマップとなっていて、各号で取材した対象をマップに落とし込む形で掲載していました。地図上で示すことで、実際に行ってみようと思うきっかけにもなるし、イメージがつきやすいからね。
また、この『品川インターシティ』にあるインフォメーションに関しても少し運用方法を変えるだけでより良いものになるかと考えています。たとえば、ビルのインフォメーションだけに限定せず、品川エリア全体のコンシュルジュにしてしまうということも1つの案だと思います。もちろんそうするためにはコンシュルジュの担当の方がエリアを熟知していないといけないのだけど、もしこう言ったことができたら『品川インターシティ』自体がエリアの中心になるし、東京の玄関口である品川の特性を活かせば、東京の案内所となり、さらに品川のアイデンティティを打ち出せるかなと思います。2点目に関しても非常に面白いとですね。コンシュルジュのバックに品川の背景があってお散歩マップのように説明できるような場所があればよりユニークですし、いいアイデアだと思います。 -
篠原
ありがとうございます!
今回は内定者だけでなく金谷さんにも「あったらいいな」の議論に参加していただけたことで、貴重なご意見をお聞きすることができました。ありがとうございました! -
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小川
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千葉
ありがとうございました!
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VISUAL IDENTITY
入り口を入ると、印象的な『SPROUND』のロゴのモビールが目に入ります。∞の記号を思わせるロゴマークは、「知の還流」というコンセプトを象徴しています。『SPROUND』とは、英語で「芽吹く」という意味の“sprout”と、「循環」という意味の“round”を組み合わせた造語で、スタートアップ企業の成長と、「知の還流」を表現しています。『SPROUND』の利用者、卒業生、投資家、専門家がコミュニティのなかでノウハウを共有し、知識を蓄え・巡らせていくことで、利用スタートアップ企業の成長を加速させます。
千葉
‘’知の還流’’を∞の形で表現したロゴマークには品川に対する想いが詰まっています。 ロゴマークの背景を通じて、品川のエリアマネジメントに取り組む日鉄興和不動産の責任感の大きさ知り、就活生の皆さんにも日鉄興和不動産の魅力を伝えられたら嬉しいです。 -
LOCATION
『品川インターシティ』A棟の22階に位置する『SPROUND』からは、品川の街が一望できます。品川エリアは、羽田空港・新幹線へのアクセスが良く、東京の玄関口としてメーカー企業を中心に数多くのグローバル企業が本社を構え、都内有数のビジネス拠点として発展してきました。今後さらにこの地で企業間の交流やスタートアップ企業の発展を推進し、産業創造の起点とすべく、『SPROUND』はコミュニティとフレキシブルなスペースを提供します。
篠原
品川駅を電車で通過することは多いものの、実際に降りて利用することは少ないですよね。その現状を変えて、もっと品川を魅力ある街にしていこうという。20年以上前から品川でオフィスを提供し街づくりに取り組んできた日鉄興和不動産が、品川エリアに対して持っている特別な思い入れを改めて感じて、胸が熱くなりました。 -
COMMUNICATION エリア
COMMUNICATION エリアには、ワークショップやイベントにも対応できるスペースと、コミュニケーションを誘発する軽いパーティなどができるカフェカウンターが設置されています。利用者は無料でコーヒーを飲むことができます。仕事の合間の休憩時に何気ないやりとりができる場所であり、また終業後には事業や経営推進を学ぶワークショップに参加することもできるなど、利用者が互いに仕事へのモチベーションを高めあえる場所です。
小川
会社の垣根を超えた多様なオープンイノベーションを引き出す環境として、さまざまな用途で使用されていますよね。働き方に対して寛容な社会へ進化してきているので、柔軟な発想で、自分らしく働くための環境としては、これ以上ない有意義なスペースであると思いました。 -
SPROUND BOOKS
『SPROUND』利用者同士の知見の共有として、利用者のオススメの本を並べる本棚を設置しました。それぞれの本を見れば推薦者とコメントが確認でき、お互いに感想を共有することができます。また、本を通して共通の話題が生まれ、交流のきっかけをつくります。今後『SPROUND』が発展していくとともに、さらにオススメの本が増えて本棚が充実していく予定で、利用者が創り上げていく本棚となっています。
小川
3回ほどお邪魔させていただきましたが、訪れるたびに本の種類が増えていることに驚きました!普段自分ではあまり読まない本が置かれていても、隣の企業の人が読んでいる本なら自分も読んでみようかな、と思い立って見てみると、そこで新しい発見に出会えるかもしれません。次訪れたときの本棚の様子が楽しみです。 -
SPROUND WALL
『SPROUND WALL』では、利用者のプロフィール写真、所属、肩書、名前を壁に貼り、他の利用者へ公開しています。このブースが利用者同士の交流の糸口となることを目的としています。それぞれのこれまでのキャリアや趣味、スキルなどをお互いに共有することで、企業運営に関わる課題が生じたときに利用者間で相談相手を見つけることができます。所属する会社を超えて、利用者同士でお互いを高めあえるような仕組みをめざしています。
星野
分からないことがあるときに、その道の「先生」に相談できるのはさまざまな人や企業が集まるオフィスならではの利点だと感じました。また『SPROUND』の雰囲気のおかげもありますが、顔写真も設置されているので、はじめましての人でも話しかけやすそうです。 -
細部までこだわり抜かれた空間デザイン
施設内のさまざまな場所に、忙しいなかでも時間の流れや自然を感じられるデザインを採用しています。入口付近には、感覚的に時間を感じられる仕かけが組み込まれた『SPROUND CLOCK』を配置。また、施設のセカンダリーカラーとして、「品川の海」から時間帯別に採取した8色のカラーを採用。各会議室の壁面には各セカンダリーカラーを手塗りで仕上げ、そのカラーに対応した天気の名前を会議室名に採用し、壁の色や加工もそれぞれの天気に適したものになっています。
千葉
ニーズ別に分けられたフロアや印象的な時計などがあるなかでも、個人的には会議室にアーティスティックな絵画が飾られている点がお気に入りです。細部までこだわりが込められた『SPROUND』には、デベロッパーとして働くことに高揚感を抱くような空間があります。 -
可変的なレイアウト
フレキシブルワークスペース事業者「Knotel」が提供する、容易にレイアウト変更可能なモジュールパーテーション「Geometry」を利用。会社の人数や利用形態の変化に合わせてレイアウトを柔軟に変更でき、利用者が働きやすい環境に整えることができます。また、短時間でフレキシブルにオフィスの形を変化できるので、新型コロナウイルス感染症対策として「3密」状態を避けた環境づくりが可能です。COLLABORATIONエリアに設置されたテーブルは、長方形ではなく台形。利用用途に合わせてさまざまな形に変化させることができます。
篠原
少人数だったり、会社の規模が変わりやすかったりするスタートアップ企業にとって、レイアウトの問題は大きな課題のはずです。直近で課題を抱えていなくても、いざそうなったときにすぐにレイアウトを変更できるということは心強いですよね。台形の机は組み合わせるだけで楽しくなれるような、素敵なデザインだと感じました! -
RELAXATION エリア
一番奥のRELAXATION エリアには、くつろぐのに最適なソファとハンモックが設置されています。デスクワークで疲れた際には、身体を休め、眺望を楽しみながら気分転換し、意図的に仕事から離れて新しいアイディアを生むことができるスペースです。すぐそばには本棚があり、本を読みながら落ち着いた時間を過ごすこともできます。
萩原
オフィス内にハンモック、非常に画期的だなぁと思います!実際に横になってみましたが、窓際にあることもあって展望も素晴らしく、素敵なリラックス空間だなと感じました。作業の効率性を上げるためにも定期的にリラックスすることは非常に大切なことだと思うので、自分だったら積極的に使いたいです。もっとたくさん用意すれば、ハンモックに寝そべりながら会議することも可能かも……? -
無人コンビニ「600」
オフィス向け福利厚生の一つとして、軽食や日用品を手軽に購入できるミニ無人コンビニ「600」を設置。『SPROUND』では、オフィスで定番のお菓子をはじめ、健康意識の高いビジネスパーソンに人気のプロテインバー、フェイスシートや絆創膏、マスクといった日常で起こるちょっとした「困った」に対応する日用品を販売しています。今後運用していくなかで、利用者のニーズをさらに探っていく予定です。
萩原
利用者のニーズを汲み取って商品を陳列してくれるのは、そこで働く人にとっても大きなモチベーションにつながるなと感じました。私自身、気合を入れて勉強するときはお菓子など食べますし、「好きなお菓子を食べながら仕事をしたい!」というときに非常に便利です。一方で、防災面での食料貯蓄という面でも効果があるのかな?とも思いました。 -
MEETING ROOM
対面の会議とリモート会議両方に柔軟に対応できる設備を備えています。自由に利用できるCOLLABORATIONエリアには、可動式ホワイトボードを設置。ちょっとした会議の際に利用することで、アイディアを整理しながら効率的に議論を進めることができます。一方、機密性の高い会議や顧客との打ち合わせの際には、会議室も利用が可能。『SPROUND』に一貫した柔らかいデザインを備えつつ、リモート会議に便利なテレビ画面も使用でき、ストレスフリーで会議ができます。
星野
手軽に利用できるホワイトボードはあまり紙を使わないIT系企業のスタイルに合っていて、利用頻度がとても高いそうです。また、会議室の壁は手塗りで塗られているため、無機質な空間にならず暖かい雰囲気で会議することができそうです。 -
オンラインミーティング設備
オンライン会議にも対応できるフォンブースを4台設置しています。防音性のあるブースのなかで、重要な電話やコロナ禍で増加したリモート会議に参加することができます。背景や雑音を気にすることなく、快適な環境で遠方の相手と一緒に仕事をすることができ、また集中して仕事を進めたいときにも利用することができます。
千葉
現在コロナ禍により働き方も多様化してきています。そのなかでもリモートでの会議が増え、ネットワーク環境や遮音性など新たなニーズが生まれています。『SPROUND』でも、この電話ボックスは増設を検討するほど利用者からの需要が高いそうです。 -
新型コロナウィルス感染症対策
さまざまな人が出入りする『SPROUND』では、新型コロナウイルス感染症対策として、フロア入り口に、PSYGIG株式会社(『SPROUND』利用企業)が提供するサーモグラフィーソリューションを導入しています。モニターで入館者の体温だけでなくマスク着用状況も確認することができ、施設内へウイルスが持ち込まれるリスクを軽減させます。館内各所にはアルコール消毒液とペーパータオルが設置されており、共用部分を清潔に保つことができます。さらに、イスラエル発の室内空間洗浄システム「Tadiran Better Air」をミリオンステップス社から導入しています。
千葉
不特定多数の人が訪れるシェアオフィスでは、万全なコロナ対策が求められます。感染防止対策はもちろん、なによりスタッフの方の活気から元気を貰えると思います。 コロナが収束した暁には、マスクを外し心の距離もより近くに感じながら働きたいですね。