気候変動への対応
GHG排出量
当社は、2023年度まで目標として掲げてきた、「2030年までに2020年度比30%削減を目標にCO₂排出量削減」について、さらにカーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させるべく、目標の見直しを行いました。あらたに「2030年度GHG排出量60%削減(2020年度比)、2050年度ネットゼロの目標達成」に向けて取り組んでおり、2022年度のGHG排出量(Scope1+Scope2)は55,951t-CO₂となりました。目標の見直しに当たり、従来省エネ法に基づく対象範囲および計算手法でCO₂を算出していたところを、GHGプロトコルに基づき、対象範囲を拡大しています。今後はScope3まで含めた目標を設定するとともに、省エネルギー対策、再生可能エネルギー導入などの取組みを推進し、さらなるGHG排出量削減を目指します。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|
GHG排出量(Scope1+Scope2) | ― | ― | 55,951t-CO₂ |
【参考】CO₂排出量※ | 37,806t-CO₂ | 37,460t-CO₂ | 27,640t-CO₂ |
- 当社の省エネ法定期報告対象事業場のうち当社持分面積換算相当を範囲とするCO₂排出量を示しています
省エネルギーの取組み
オフィスビルにおいては高効率設備機器などの導入や設備機器運転データに基づく運用改善により省エネルギーに取り組んでいます。
「赤坂インターシティAIR」や「品川インターシティ」などでは、地域冷暖房システム(DHC)を導入しており、エネルギーの平準化と高効率化を図っています。DHCより蒸気と冷水、一部温水の供給を受けることに加え、「赤坂インターシティAIR」ではコージェネレーションシステム(CGS)を導入し排熱を有効利用することで、省エネルギーに貢献しています。
また、「赤坂インターシティAIR」では、竣工時より全館LED照明を採用しています。その他のビルについても共用部・専用部ともに順次LED化を推進中であり、2030年度までに所有ビル全てのLED化を実施する予定です。
「赤坂インターシティAIR」や「品川インターシティ」などでは、地域冷暖房システム(DHC)を導入しており、エネルギーの平準化と高効率化を図っています。DHCより蒸気と冷水、一部温水の供給を受けることに加え、「赤坂インターシティAIR」ではコージェネレーションシステム(CGS)を導入し排熱を有効利用することで、省エネルギーに貢献しています。
また、「赤坂インターシティAIR」では、竣工時より全館LED照明を採用しています。その他のビルについても共用部・専用部ともに順次LED化を推進中であり、2030年度までに所有ビル全てのLED化を実施する予定です。
テナント様との協働
オフィスビルのCO₂排出量削減には、テナント様の協力が不可欠であり、節電などの省エネルギーの取組み推進についてテナント様と協働しています。
取組み施策 | 取組み内容 |
---|---|
省エネルギー 推進会議の開催 |
「赤坂インターシティAIR」などの大規模ビルでは、テナント様を交えた省エネルギー推進会議を開催し、ビルのエネルギー使用量や具体的な省エネ施策を説明するなどして、テナント様と協働して省エネルギーの取組みを推進しています。 |
テナント様への 節電の協力依頼 |
夏季・冬季のビルの節電では、エントランスなどの共用部での節電実施に加え、テナント様専用部での節電対策(不要箇所の照明消灯、空調温度の設定変更など)について協力依頼を実施しています。 |
エネルギー使用量の 「見える化」 |
WEBを使用したエネルギー使用量の「見える化」システムを導入し、テナント様に月次でエネルギーデータを開示しています。 |
再生可能エネルギーの利用促進
当社は、2030度年までに当社保有建物の使用電力を100%再生可能エネルギー化することを目標に掲げています。この達成のために、当社保有建物での再生可能エネルギーの導入や太陽光発電による再生可能エネルギー創出に取り組んでいます。2022年4月より「赤坂インターシティAIR」をはじめとしたオフィスビル13棟で使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替え、2023年度末時点で38%となっています。
オフィスビルでの再生可能エネルギー導入の取組み
2022年4月より、「赤坂インターシティAIR」をはじめとしたオフィスビル13棟で使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えました。電力会社からの調達電力全てを再エネ電力に切り替えることで、年間約31,000tのCO₂排出量削減が可能となる見込みです。
太陽光発電電力を有効活用する「オンサイト PPA+オフサイト PPA」の取組み
物流事業のLOGIFRONTシリーズでは、太陽光発電事業者と連携して太陽光発電設備の導入に積極的に取り組んでいます。「LOGIFRONT 浦安」および「LOGIFRONT 狭山」において、施設屋根に設置した太陽光発電設備の発電電力(再生可能エネルギー)を最大限活用するスキーム(オンサイト PPA※1 ※2+オフサイト PPA※3)をみずほ東芝リース株式会社および日鉄エンジニアリング株式会社と共同で構築しました。発電電力が物流施設の消費電力を上回る場合、余剰電力が生じることとなりますが、当社が所有・運営管理を行う他拠点に余剰電力を託送供給することにより、再生可能エネルギーを余すことなく有効活用する取組みを行っています(オフサイト PPA)。
- PPAとは、Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略。電力需要家が発電事業者から直接再生可能エネルギーを調達する契約形態
- オンサイトPPAとは、電力需要家の屋根などを利用して発電設備を設置し再生可能エネルギーを供給すること
- オフサイトPPAとは、オンサイトPPAと異なり発電場所以外の需要先に対し、送電網を介して再生可能エネルギーを供給すること
余剰電力の板橋区小中学校への送電
「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」では、約4.5MWの太陽光発電設備を設置することにより建物の電力使用量の一部を再生可能エネルギーとしています。太陽光発電設備から生じた余剰電力については、板橋区内の小中学校に供給することで、自治体施設の再エネ化の取組みをサポートしています。
環境に配慮した不動産開発
当社は持続可能な社会の実現に貢献するために、省エネルギーや長寿命化などの環境に配慮したオフィスビルなどの不動産開発に取り組んでいます。
環境に配慮した大規模複合開発「横浜シンフォステージ」
みなとみらい21地区(中央地区・新港地区・横浜駅東口地区の総称)は、2022年4月26日に環境省が募集する「脱炭素先行地域」に選定されており、「横浜シンフォステージ」(2024年3月竣工)は、横浜市が推進する公民連携での脱炭素モデル構築の取組みに参画しています。
環境配慮技術の導入により、建物のエネルギー消費を抑制しながら、快適なオフィス環境をつくりだすとともに、みなとみらい21中央地区全体の脱炭素化に貢献します。
主な環境配慮技術
- 熱負荷を低減する外皮性能(ダブルスキン・ルーバー)と空調機容量の最適化
- 蓄熱槽による地域冷暖房(DHC)供給エリア[みなとみらい21中央地区全域]の負荷平準化
- コージェネレーションシステム(CGS)による電力ピークカットおよび廃熱利用によるエネルギー効率向上
- 各種センサーによる設備機器の自動制御によりエネルギー消費量低減
- 照度センサーによる照明調光およびブラインドの自動制御
- CO₂センサーや人感センサーによる換気量自動制御
- 湿度センサーによる外気冷房自動制御
- デマンドレスポンス技術の導入によるピークカット運転の実施
環境に配慮したオフィスビル開発「BIZCORE東神田」
中規模ハイグレードオフィス「BIZCORE東神田」(2022年11月)では、環境配慮技術を導入し、脱炭素化に取り組んでいます。
主な環境配慮技術
- Low-Eペアガラス採用による冷暖房負荷の軽減
- 各種センサーによる設備機器の自動制御によりエネルギー消費量低減
- 照度センサーによる室内照明器具の自動調光
- 人感センサーによるパントリー・トイレなどの無駄な点灯防止
- 駐車場への電気自動車の充電設備設置による、環境配慮型の次世代自動車の普及促進
- 貸室内の床にカーペット廃材や漁網が原料の100%リサイクル糸を使用した環境配慮型タイルカーペットを採用(従来製品から製造工程におけるCO₂を最大61%削減)
建設時の環境への配慮
物流施設建設時の路盤材などに高炉スラグを使用することにより、破砕加工時に使用される化石燃料削減やCO₂排出量削減を図っています。
高炉スラグは、鉄の製造時に副産物として発生する鉄鋼スラグから作られる工業製品の一つで、近年、省資源、省エネルギーの観点からも優れた資材として脚光を浴びています。
また、マンション建設時の場所打ち杭のコンクリート部分に、環境に配慮した「高炉セメント」を採用しています※。
高炉セメントとは、鉄の製造過程で発生する副産物である「高炉スラグ」を使用したセメントです。
通常のセメントを製造する際に使用する素材の一部の代替として「高炉スラグ」を用いることで、通常のセメント製造時と比較してより製造工程を少なくできるため、省資源・省エネルギー・炭酸ガス排出量抑制に貢献する地球にやさしいセメントです。
高炉スラグは、鉄の製造時に副産物として発生する鉄鋼スラグから作られる工業製品の一つで、近年、省資源、省エネルギーの観点からも優れた資材として脚光を浴びています。
また、マンション建設時の場所打ち杭のコンクリート部分に、環境に配慮した「高炉セメント」を採用しています※。
高炉セメントとは、鉄の製造過程で発生する副産物である「高炉スラグ」を使用したセメントです。
通常のセメントを製造する際に使用する素材の一部の代替として「高炉スラグ」を用いることで、通常のセメント製造時と比較してより製造工程を少なくできるため、省資源・省エネルギー・炭酸ガス排出量抑制に貢献する地球にやさしいセメントです。
- 一部の物件を除く
環境負荷の低い資材の導入
当社はCO₂排出量削減に貢献する、環境負荷の低い資材の導入に取り組んでいます。「LOGIFRONT名古屋みなと」では、日本製鉄株式会社が提供するマスバランス方式を適用したグリーンスチール「NSCarbolex®Neutral(エヌエスカーボレックス ニュートラル)」※1を、民間デベロッパーとして初めて大型物流施設に採用しました。本施設では鉄骨H形鋼の一部に採用しています。
また、日本製鉄株式会社の高機能製品・ソリューション技術「NSCarbolex® Solution(エヌエスカーボレックス ソリューション)」に内包される建築ソリューション「ProStruct®(プロストラクト)」※2も併せて採用しました。これらの製品およびソリューションにより、本施設において鉄鋼生産から施工時におけるCO₂排出量を約10%削減できる見込みです。
また、日本製鉄株式会社の高機能製品・ソリューション技術「NSCarbolex® Solution(エヌエスカーボレックス ソリューション)」に内包される建築ソリューション「ProStruct®(プロストラクト)」※2も併せて採用しました。これらの製品およびソリューションにより、本施設において鉄鋼生産から施工時におけるCO₂排出量を約10%削減できる見込みです。
- NSCarbolex®Neutralとは、鉄鋼メーカーが実施した追加性のある削減プロジェクトによるGHG排出削減量またはCO₂排出削減量を組織内でプールし、その削減量を任意の製品に配分して証書とともに供給する鉄鋼製品。一般社団法人日本鉄鋼連盟が制定するガイドラインに準拠
- ProStruct®とは、日本製鉄の高機能鋼材と高度利用技術を組み合わせた建築分野向けパッケージブランドであり、鋼重削減・工期短縮を実現