老朽化した不動産ストックの活用・再構築

基本的な考え方

当社はこれまで、業界に先駆けて都市やマンションが抱える課題と向き合い、さまざまな再開発事業やマンション再生事業を手がけてきました。安全・安心な住まいの提案はもちろん、再開発組合やマンション建替え組合の運営支援、資金調達支援、施設建築物の設計協力、商業テナントの誘致、管理運営計画の作成支援やコストの低減、竣工後の管理・運営に至るまで、事業当初から地域やお住まいの方と一緒になって街の未来を考えています。今後も培ってきたノウハウを活かし、老朽化した不動産ストックの活用・再構築を図ることで、街への誇りや愛着の醸成が育まれる都市へと生まれ変わる「エリア価値の創造」に貢献していきます。

市街地再開発による災害に強い街づくり

大宮駅西口第3-B地区第一種市街地再開発事業/大宮サクラスクエア(2024年竣工)

当社は、"にぎわいのある、安心・安全なまち"の実現へ向けて大宮駅西口第3-B地区において住宅・商業・業務施設で構成する「大宮駅西口第3-B地区第一種市街地再開発事業」を、大宮駅西口第3-B地区市街地再開発組合およびさいたま市と連携して推進しました。
大宮駅周辺地域において、駅前の「ターミナル街区」はさいたま市策定の「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」において、東日本の玄関口として東日本全体の発展をけん引していく街に位置づけられる一方、大宮駅徒歩4分の本地区は木造老朽建築物が多く、緑地などのオープンスペースが不足するとともに、狭あい道路が多く日常の交通に支障をきたしており、防災性の向上、土地の有効活用、交通環境の改善が課題となっていました。
そこで、これらの課題を解決するため、《大宮駅西口のにぎわいエリアの拡大》、《安心・安全の確保》、《世代を超えた都市居住人口の創出》をコンセプトの軸に据え、住宅・商業・業務機能、防災機能を一体的に併せ持つ複合用途の施設建築物および道路などの公共施設を一体的に整備しております。複合用途の施設建築物には、敷地内緑化率 20%を確保するなど環境配慮に加えて、災害時には帰宅困難者の一時滞在施設として施設の一部スペースを開放する他、敷地外構部にはかまどベンチや防災トイレを設置するなど、有事の際の防災拠点機能を整備しています。

十条駅西口地区第一種市街地再開発事業/J& TERRACE(ジェイトテラス)(2024年竣工)

当社は、十条駅西口地区において住宅・商業・業務・公共施設・公共広場で構成する「十条駅西口地区第一種市街地再開発事業」を、十条駅西口地区市街地再開発組合および東京都、北区と連携して推進しました。
十条駅西口地区を含む一帯は、東京都防災都市づくり推進計画において「重点整備地域」に位置付けられ、駅や周辺施設利用者のためのゆとりあるスペースが不足しているとともに、道路が狭く、木造住宅の密集地域となっていることから、防災などの面からも早急な改善が必要な地区となっていました。
そこで、十条駅周辺市街地の防災性の向上と、駅利用者や地域住民が集い憩う「にぎわいの拠点」を形成することを目的として、市街地再開発事業では、駅前広場や都市計画道路などの都市基盤を整備し、周辺の市街地環境への影響や街並み景観に配慮しつつ土地の集約・高度利用を図り、駅前のにぎわいを創出する商業・業務施設と定住化の促進に寄与する良質な住宅を適切に確保・整備し、まちの活力と安全性・防災性を向上することが期待されていました。
本プロジェクトでは、周辺商店街との回遊性の創出やまちの活力の向上を目指し、下層部には駅前広場とつながるオープンスペースを確保するとともに、駅前広場に面し商業施設や地域生活を支える公共施設を整備しました。上層部にはタワーマンションを配置することで、商業・業務機能と住宅が共存し地域に開かれた空間を創出しました。
2020年5月着工前
2021年10月

マンション再生による安全・安心な住環境の整備

金王アジアマンション建替え事業/グランリビオ表参道(2024年竣工)

金王アジアマンションは、「渋谷」駅徒歩6分、「表参道」駅徒歩7分の立地に位置し、RC造・地上7階建て・総戸数42戸のマンションとして1961年に竣工しました。当時は築56年を経過し、耐震性不足、設備配管の老朽化や原因不明の漏水など、建物の不具合が頻発に発生し多くの問題を抱えている状況でした。
当社は2015年より事業協力者として参画し、マンション再生の勉強会を開始するとともに、所有者不明住戸の対応や組合員の合意形成、組合員の意向を踏まえた施設計画の検討など、建替えに向けた課題を一つ一つ解消してきました。建替え後は日鉄興和不動産の最上位ブランド「グランリビオ」を冠し、緑豊かなアプローチと2つのラウンジを備え、都心にありながら潤いに満ちたレジデンスへ生まれ変わりました。
建替え前(金王アジアマンション)
建替え後(グランリビオ表参道)

習志野台三街区住宅団地マンション建替え事業(2025年竣工予定)

習志野台は、船橋市の中でも人気のあるベッドタウンとして、主に団地や商店街、生活利便施設や北習志野近隣公園などの緑地環境もそろったエリアとなっています。
当社はマンション建替え事業の参加組合員として、習志野台団地の最西端の地において、先進のレジデンスへの建替えにより、都心直結アクセスの都市の利便性と、人、自然、街が調和した団地再生を創造します。
開発面積は約24,800㎡、うち先行して開発する駅寄りの建替え用地(約16,300㎡)は、安心安全な建物を望む権利者さまの思いをかなえる建替え後の住宅を整備することにより、団地の老朽化と高齢化の課題を解消し、多世代の交流とにぎわいの創出を目指しています。多世代に快適なレジデンスとし、中庭は災害時に地域の防災拠点として開放を予定しています。
建物外観イメージ
中庭テラスイメージ
エントランスラウンジイメージ